B面の歌詞に美咲ひと口 シリーズ20(最終回)
第20回(最終回)は、「突然愛して」です。言うまでもありませんが「愛人芝居」のB面です。
一言で言えば、演歌・艶歌!!って感じで、A面の「愛人芝居」もそうですけど、ポップな演歌ですよね。この曲なら「演歌の花道」に出れたかも知れません。(もしかして出たことある?)
この歌詞の主人公がサッコさんで、その相手が自分だと思って(そういう想定で)聞くと(年齢・年代的にちょっと無理はありますが)なんだかとてもこの曲の世界に入り込んでしまいます。
この曲の当時、サッコさんが本当にこんな心境だったのではないか?と思ってしまったのですが、それはあまりにも突飛な考えでしょう。
1.
二人用の椅子とテーブル
それにベッドは セミダブル
今の部屋に 越して来たとき
私なりの夢があったの
新しい部屋に引っ越すときは何かのきっかけがあります。進学、就職、転勤、気分転換・・・
ここには本当の恋の始まりを夢見る女性の気持ちがよく現われています。自分が大学入学を機に下宿生活を始めるときでさえ新しい生活に何かを(恋愛も?)期待して家具を買い揃えたものです。まして新しい恋愛を見つけた女性にとっては、何にも代えられない大きな夢があったのでしょう。
突然愛して ごめんなさい
一人ぼっちが 淋しかったの
突然愛して ごめんなさい
逢って間もない 二人だけど
一人ぼっちで『淋しい』と感じるときは誰でもあるでしょう。恋をするもっとも大きな要因の一つかもしれません。さて、「突然愛して・・・」というのはどういう状況だったのでしょう?「逢って間もない」という状況はわかりますが、逢ったきっかけは想像するしかありません。
あなたがこの部屋に来ることは
それが浮気でも かまわない
「あなた」が浮気だと感じてしまっていたのでしょうか?それとも、たとえ浮気でも、それでも愛したいという気持ちの表現でしょうか。浮気だったらこの先どうなるのか不安だと思いますが、今はそんなことはどうでもよいということなのでしょう。
2.
あなたふかす 煙草のけむり
そっと私に からみつく
枕もとの 白い電話も
明日からは きっと鳴るのね
2コーラス目は具体的な描写から入ります。大人の恋=浮気=ベッド=タバコ という連想が定番でしょう。「枕もとの電話が明日からはきっと鳴る」これはこの歌詞の中でもっとも『感心』したところです。そんなにたびたび逢えない=この部屋に来てはもらえない、そんな状況では電話が唯一つながりを示す道具なのです。この時代は携帯もなく自分からは電話できなかったのでしょうから、ただ待つしかないのですが。
突然愛して ごめんなさい
話相手が ほしかったの
突然愛して ごめんなさい
誰かのために 泣きたかった
「話相手がほしかったの」? 私の中では、ここまでの展開に肩透かしを食らった感じでしたが、 「誰かのために泣きたかった」ここで気持ちを持ち直しました。そうそうこの気持ちが『愛』なんだ。
あなたがさよならを 言ったとき
これは本当の 恋になる
えっ、もう「さよなら」なの? 「今日は『さよなら』また今度ね。」っていう意味じゃないですよね。やっぱり浮気相手では悲しかった。「さよなら」されると余計愛しくなる。っていうことでしょうか。
自分がその世界に入っていくと・・・
サッコさんに突然愛されたら、そりゃ毎日電話して、しょっちゅう部屋へ行きますよね。「浮気」かぁ?そう言われるとつらいところですね。でも「さよなら」は言いたくないですね。
・・・どうも想定に無理があるような気がします。失礼しました。
(シングルレコードより 作詞:初信之介、発売元:徳間ジャパン)
シリーズ20(最終回) 完
このシリーズの最後にして初めて歌詞をちゃんと全部書きました。でも、これだけ長く書くと私の解釈とか文章に『ボロ』がたくさん出てしまいます。
==== シリーズ 全完 ====
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